2016/09/01

【建築家のコラム】Vol.27

2016.09

先日、人気女流作家の時代小説を読んでいて、アレッと思ったことがあります。
家を普請するくだりで「頭領」という文字が出てきたからです。なにが不審なの?とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
私も含め建築、とりわけ住宅に関係する仕事に就いていますと「とうりょう」と聞くとすぐに「棟梁」を思い浮かべてしまうからです。
ましてや普請の場でのこと、大工の棟梁が現場を仕切る場合が普通だと思います。
同じ意味として「頭領」を使用したのか、または江戸時代は「棟梁」ではなく「頭領」と呼ぶのが一般的だったのか。
他にも辞書を引くと同じような意味では「統領」という言葉もあります。
それぞれ微妙に意味合いが違うようです。
なかなかもって漢字そして日本語は難しいですね。
ところで、大工の長を「棟梁」と呼びますが、建築関係のすべての職方がそう呼ぶわけではありません。
基礎工事や棟上げを行うとび職は「頭(かしら)」その他左官職など多くは「親方(おやかた)」と言ったりします。
現代ではほとんどが会社組織になっていますので、現場でそのような呼ばれ方は少なくなってきましたが「棟梁」という言い方は今でも一般的に使われています。
相撲の「親方」踊りなどの「師匠」同様「棟梁」という呼び名も残っていってほしいものです。

みずさわ
2016/08/01

【建築家のコラム】Vol.26

2016.08

梅雨も明け、本格的な暑さがやってまいりました。
お子さんにとっては待ちに待った大好きな夏休み。
しかし親御さんにとっては・・大好きな夏ですね、きっと。
ところで、先日NHKの人気番組「ブラタモリ」で「新潟」が放送されました。
見られた方も多いと思いますが内容は、水運の大動脈である信濃川と阿賀野川が運んでくる砂との戦いを克服し、発展を遂げてきた新潟市のお話しでした。
この番組の面白いところは、地形や環境に対して人々がどのように対応してきたのか、そして街を発展させてきたのかを解き明かしていくところにあります。
度重なる河川の氾濫から守るため利根川の流れを変え、埋め立てして発展してきた江戸東京をはじめとして、水を確保するため地形をうまく利用した仙台や箱根の街など、驚くばかりです。
そして今回なにより驚いたのは、砂丘によって海抜が低くなった地域を改良するため、大型のポンプを導入し見事な水田に変えたことでした。
大雪のため2階から出入りする写真は小さい頃から見慣れていましたが、腰まで水につかる稲刈りが新潟で行われていたことは全く知りませんでした。
そして現在もなお街を守るため、大型のポンプが稼働し続けていることに。

みずさわ
2016/07/01

【建築家のコラム】Vol.25

2016.07

早いもので、今年も折り返しの季節です。
九州では熊本・大分地震から3カ月が経とうとしていますが、その後の余震そして大雨と辛い日々が続いています。
この大雨被害は台風が来てのそれではなく、梅雨がもたらしているものですから長丁場となり、いたるところで地滑りが起きたり冠水が起きたりと苦労されています。
そのようなニュースを見ながら、関東では取水制限が出され、節水が求められ始めています。水源の利根川流域に雨が降らず、ダムは例年になく水量を減らしているという状況です。これも例年になく、今年はまだ台風の接近や上陸がないという事も関係があるのでしょうか。
台風などはあまり来てほしくはありませんが、被災地には晴天を、その他の地域には作物が育つ程度の適度な降雨をと願わずにはいられません。
しかしそういう願いほど実現しないのが世の常であり、自然の大きさでもあります。
自然に逆らう事はできませんが、なんとか仲良くしていきたいものです。
北陸地方の梅雨明けは、気象庁の予報では24日頃となっています。
年々夏の暑さが厳しく感じられるようになってきていますし、今年も暑い夏の予想が報じられています。
夜間の涼風や日中の通風を採りいれ、少しでも過ごしやすい生活を試みてください。

みずさわ
2016/05/01

【建築家のコラム】Vol.24

2016.05

4月から新年度となり、早1か月が経ちました。
新入生は友達もでき、少しずつ学校にも慣れてきた頃かと思います。
しかし熊本では先月の大地震以来学校が避難所となっているところも多く、被災地ではいまだ殆どの小中学校で授業が再開されていません。
普通の暮らしにいつ戻れるのか、先が見えない状況が続いています。一日も早い復旧・復興が待たれます。
さて、今月は部屋の入口幅寸法についてお話したいと思います。
私たちは設計をするにあたり、自分なりにある程度決めた数値を基準にして進めます。
例えばリビングなど出入り頻度の高い入口は800(単位はmm以後全て同)。寝室や子供室など、頻度は多くなくても家具などの搬出入が必要な室は700、トイレや納戸などそれほど広い幅を必要としないところは600といった具合です。
もちろんこの数値は絶対的なものではなく、その時々必要に応じてその数値を検討し、可能であれば広げる方向に変更していきます。
介護が必要な住宅の場合には、車いすが通れる寸法(最低800)を考慮しますし、ベッドや婚礼家具などの大きめの家具の搬入が必要なところにある入口の場合は、経路に応じて寸法値を決めることもあります。
そのためにも、持ち込み家具の寸法を予め計測することが大切になってくるのです。

みずさわ
2016/04/01

【建築家のコラム】Vol.23

2016.04

現在多くの住宅雑誌があったり、ネットにて住宅情報を気軽に検索できたりします。
そのためか多くの方が概ね、SIC(シューズ・イン・クロゼット)付の玄関を希望されます。
アパートの狭い玄関に辟易し、子供の靴が散らかってしまう現状を嘆き、せめて新築する際は靴が見えないようにという気持ち、とても理解できます。
また「家造 モデルハウス」のように、SICから上がれるタイプを希望される方も結構いらっしゃいます。
家族が多かったり、来客が多い家ではとてもすっきりしたスタイルです。
ただしSICの土間部分が通路となりますので、面積の割に収納部分が少なく、玄関が2か所のようになってしまいますので、採用する場合は良く考えていただきたいと思います。
そこで実用中心で考えた場合(SICをつくれる余裕がある場合ですが)にはどうしたらよいか?
小さいながらも収納重視のSICを造り、それとは別に履いてきた靴を仕舞える程度の下足入れを設けた玄関を提案いたします。
さらに余裕があれば、玄関は暖房ラインから外れますので、温めたくない物や主に外に持ち出すためのものを収納する納戸を設けます。
「玄関は家の顔」とも言います。
普段時から整理され、しかも我が家にあった収納スペースはどうしたらよいか、日常を考えるにはまず玄関から見直してみるのも良いかもしれません。

みずさわ
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