【建築家のコラム】Vol.29

2016.11

最近は、朝晩とぐっと冷え込む日が多くなってきました。
いつの間にか暗くなる時間も早くなり、だんだんと冬を意識しなくてはいけない季節になってきました。
建物の設計の中でも特に住宅の設計というのは、この季節感というものをことのほか大切にします。
が、時に厄介な存在になることもしばしばあります。
冬に行う設計の時には暑さのことを、反対に夏には寒さのことをついつい軽視しがちになるのです。
特に新潟は冬のイメージが強いので、寒さ対策のことばかり考えていますと、実は結構ジメジメとした梅雨時や、夏の暑さも厳しかったりもするからです。
かつて、家で生活することが戦いのような住居が建築界の最高賞を取ったことがあります。
2階に行くのに、中庭に設けられた屋根がついていない屋外の階段を使うしかなく、雨が降ったら傘が必要になる、そういう家です。私には一生かかっても設計できないでしょう。
季節を問わず家中どこに行ってもあまり温度変化を感じず、それでいて開放的な空間があり、エアコンを頼らずとも過ごせる家。
少し我慢をしながら、季節を感じそして楽しめ家。
これまでも、そしてこれからも私にとっての理想の家を考え続けていきたいと思っています。

みずさわ