【建築家のコラム】Vol.31

2017.01

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
昨年は皆様にとりましてはどんな一年でしたでしょうか?
新たに家族が増えた方、逆に大切な人を亡くした方もいるでしょう。
なかにはあまり変化がなかったという方もいるかもしれません。
かつて年齢は数え年で数えていた頃がありました。
誕生日に1歳加える満年齢ではなく、新年元日を迎えると皆それぞれが1歳年をとるということです。
私の父親も「今は数えで○○歳だ」とよく話をしていました。
小学生だった私にはそのことがよく理解できず、なんだかすごく古い昔の出来事を聞いているような、不思議な感覚だったことを覚えています。
最近では齢をとるというとあまりいい顔をされなくなりましたが、一年を無事に過ごし新たな気持ちで新年を迎えたいという気持ちは今も昔と変わらないことでしょう。
特に大きな災害に合われた方や、そうでなくても個人的にはとてもつらい出来事に合われた方にとってはなおさらのことと思います。 
「雲外蒼天」私の好きな言葉です。嫌なことを忘れる必要はない、その裏にはきっと笑顔が隠れている、私はそう信じています。
どうか皆様にとりまして良き一年になりますように。
・・・そういえばわたし鳥が苦手なんでした。

みずさわ

【建築家のコラム】Vol.30

2016.12

先月、観測史上初という11月中での積雪が東京で観測されました。
天気予報ではその数日前から話題にされていましたが、正直あまり信じてはいませんでした。
しかし朝起きた時の窓外の状況は、新潟の冬を連想させるくらい本格的な降雪で、不謹慎にも少し嬉しく感じてしまいました。
初雪というと思いだすことがあります。
小学3・4年生の頃、11月14日に初雪が降りました。
深夜から降り始めた雪は、朝にはすでに数十センチの積雪になっていて、一面を白銀の世界に変えていました。
子供でしたから単純に初雪が嬉しく、朝からワクワクしたことを覚えています。
しかしなぜその日を特別覚えているかといいますと、理由はわかりませんがこの先「初雪っていつ頃降るの?」と聞かれた時にサッと答えられるように記憶しておこうと思ったからです。
しかし残念なことに、今に至るまで1度も質問されたことはありません。
またその後、上京するため新潟を離れるまでの数年間のうち、に11月14日より早く初雪が降ったことは1度もありませんでした。
地球温暖化や異常気象と言われて久しくなりますが、今年の東京での初雪を、大人になって思い返せる小学生が沢山いたらいいのにと思わずにいられませんでした。

みずさわ

【建築家のコラム】Vol.29

2016.11

最近は、朝晩とぐっと冷え込む日が多くなってきました。
いつの間にか暗くなる時間も早くなり、だんだんと冬を意識しなくてはいけない季節になってきました。
建物の設計の中でも特に住宅の設計というのは、この季節感というものをことのほか大切にします。
が、時に厄介な存在になることもしばしばあります。
冬に行う設計の時には暑さのことを、反対に夏には寒さのことをついつい軽視しがちになるのです。
特に新潟は冬のイメージが強いので、寒さ対策のことばかり考えていますと、実は結構ジメジメとした梅雨時や、夏の暑さも厳しかったりもするからです。
かつて、家で生活することが戦いのような住居が建築界の最高賞を取ったことがあります。
2階に行くのに、中庭に設けられた屋根がついていない屋外の階段を使うしかなく、雨が降ったら傘が必要になる、そういう家です。私には一生かかっても設計できないでしょう。
季節を問わず家中どこに行ってもあまり温度変化を感じず、それでいて開放的な空間があり、エアコンを頼らずとも過ごせる家。
少し我慢をしながら、季節を感じそして楽しめ家。
これまでも、そしてこれからも私にとっての理想の家を考え続けていきたいと思っています。

みずさわ

【建築家のコラム】Vol.28

2016.10

先日、高校の同級会に出席するために湯沢町に行ってきました。
たまたま同級生の一人が湯沢町でホテルをやっており、地元の友人たちも宿泊込みの宴会になりました。
高校3年時、理系のクラスで43人のうち5人が女子というほぼ男子クラス。
高校を卒業以来という友人もいて、出席者はそれほど多くはなかったのですが、深夜遅くまで盛り上がりました。
50代も半ばを過ぎ、親の介護や子供のこと、そして定年が見えてきた仕事やそろそろと病気のことなどなど。
日頃はあまり話さないようなことでも気兼ねなく話せる間柄というのは本当にありがたいものです。
当時ほとんど話したことがない同級生でもすぐに打ち解ける、これも年齢がなせることなのかもしれません。
若かった頃は何かと連絡しあっては集まっていた地元の友人たちも、このような機会がないと会うこともめっきり少なくなったと聞きました。
容姿は私も含め随分と変わってしまいましたが、気持ちだけはいつでも当時に戻れるようです。
晴れ間を縫っての稲刈りに追われ、出席予定だった地元の友人が、当日になり急きょ欠席になってしまいました。
こんなところにも、この秋の天候不順の影響が出てしまいました。

みずさわ

【建築家のコラム】Vol.27

2016.09

先日、人気女流作家の時代小説を読んでいて、アレッと思ったことがあります。
家を普請するくだりで「頭領」という文字が出てきたからです。なにが不審なの?とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
私も含め建築、とりわけ住宅に関係する仕事に就いていますと「とうりょう」と聞くとすぐに「棟梁」を思い浮かべてしまうからです。
ましてや普請の場でのこと、大工の棟梁が現場を仕切る場合が普通だと思います。
同じ意味として「頭領」を使用したのか、または江戸時代は「棟梁」ではなく「頭領」と呼ぶのが一般的だったのか。
他にも辞書を引くと同じような意味では「統領」という言葉もあります。
それぞれ微妙に意味合いが違うようです。
なかなかもって漢字そして日本語は難しいですね。
ところで、大工の長を「棟梁」と呼びますが、建築関係のすべての職方がそう呼ぶわけではありません。
基礎工事や棟上げを行うとび職は「頭(かしら)」その他左官職など多くは「親方(おやかた)」と言ったりします。
現代ではほとんどが会社組織になっていますので、現場でそのような呼ばれ方は少なくなってきましたが「棟梁」という言い方は今でも一般的に使われています。
相撲の「親方」踊りなどの「師匠」同様「棟梁」という呼び名も残っていってほしいものです。

みずさわ